✨33のステップ運動✨発達がわかると、子どもがみえる✨
〜保育でこんなことありませんか?〜
散歩から帰ってきて、3歳児がシャワーをします。
子ども20人ほど、保育者2人。
1人は、食事の準備に。1人はシャワーに。保育者も役割分担しますよね。
洋服が脱げた子から、シャワーに来ます。3歳児だし、もうそのへんは自分でできます。もちろんゆっくりな子もいますが、シャワーは一人ずつ順番なので、一人ひとりのペースを急かす必要はありません。
沢山の子をシャワーして、次に来る子が途切れたので、「みんな終わったかな?」と確認の声をかけます。特に返事がありません。
保育者も、シャワーで濡れた手足を拭いて、保育室に戻ると…メソメソ 😥 泣いている子がいます。シャワーに取り残されたように感じて泣いています 😥
さて、あなたならどう思いますか?
①もー、いつも遅いんだよね。。。意欲ないのかな?
②お家で甘やかされているから、自分でできるようにならないんだよね
③あー、私、手足拭いたのに。はい。もう一回シャワーに行かなきゃ。
生活のサポートの時間は保育者も慌ただしく、ゆとりがない。保育者数は少なくなるのに、子どもたちの自立具合に差がある3歳児は特に大変です。
さて、どんな声をかけますか?
①えーまだだったの?
②みんなに合わせて急がないと、終わっちゃうんだよ
③はいはい。シャワーに行くよ。みんな終わってるんだから早くしてね。
“この子はまだ自立していない。自立のために少し厳しくしなくちゃ”と成長への焦りを感じ、キツイこと言ってみたくなる。保育者だって人間だもの。
〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜☆〜
その子を、“発達の視点”で見つめ直してみました。
洋服を着るときにそばで見届けてみます。
パンツを手にします。足を入れます。意欲がないわけではなさそうです。パンツを上げます。お尻にちょっと引っかかります。スルっとパンツから手が離れてしまいます。ギュって力が入らないみたい…
ズボンを手にします。同じように最後のギュって上げるところで、パンツより硬いズボンはもっと時間がかかります。
それに、指先の動きもなんだかぎこちない。“この子は握力がないのかも”
次にシャツを広げる作業も、手首を反したり薄いシャツを握る力も弱く…
これでは時間がかかるよな。。。うまくいかないうちに、諦めてよそ見が多くなる。
壁に飾ってある絵を見てみたら、クレヨンの線も力が入らないヒョロヒョロ…
はじめはやる気はあるのに、困っている。困っているうちにみんなにおいていかれる。頑張っているのに。悲しいな。。。
そんな姿に
①えーまだだったの?
②みんなに合わせて急がないと、終わっちゃうんだよ
③はいはい。シャワーに行くよ。みんな終わってるんだから早くしてね。
“この子はまだ自立していない。自立のために少し厳しくしなくちゃ”
これではうまくいかない事が見えて来ますよね。
意欲を形にするのは、しなやかによく動く身体なのです。
手のひらを握ったりひらいたり、ギュって力を入れる遊びを通じて身体がしっかりしてくると、生活にもその事が活かされてきます。
鉄棒にぶら下がってみる。
短い縄で1対1の綱引きをする(長い縄で全員だとこの子が力を使っているかわからないので)
手のひらをしっかり床について、這い這い遊びや手押し車を楽しめるように誘ってみる。
トンネルくぐりも楽しいかも。
雑巾がけの手伝いをお願いして、「ありがとう♥」
身体ができるまで、自信を失わないように、洋服の脱ぐときはさり気なく手伝ってしまおう。はじめに遅れなければ、その後ゆっくりでも、なんとかみんなについてこれるはず。
急がばまわれ!!
自立を急がず、身体づくり。
“できない”“だめだ”と自尊心が傷つかないように。
身体がしっかりすれば“やった!”“できた!”が増える。自信につながる。
33のステップ運動は、子どもの発達を理解する引き出しになります。
一緒に学びましょう!