🌈子どもとことばの世界④🌈
~今井和子先生から学んだこと④~
【行動こそことばに代わることば】
~『こどものことば』今井和子著書より~
事例① まちゃんと滑り台
まあちゃんは滑り台など高いところから、砂場で使う容器やボールを投げます。
友だちに向かって投げます。
「なんで投げるのだろう…」
いつも同じ子に向かって投げていることに気が付きました。
当時、1歳児のクラスでは、滑り台の上から「おーい!」と
友だちを呼んでは手を振ることが流行っていました。
まあちゃんも「お~お~」と友だちに呼びかけても誰も応答してくれません。
まあちゃんは物を投げる行為によって、自分の所在を友だちに知らせようとしているのではないか?と気が付いたのでした。
まあちゃんが滑り台に上りものを投げようとしたときに
「〇〇ちゃんに僕はここにいるよって言いたかったのね」と確かめかわりに呼んでみました。
友だちが気が付いて、まあちゃんに手を振ってくれると、まあちゃんも喜んで「お~お~」と手を振りました。
その後は、滑り台に上がるときには、和子先生の手を引いて上がるようになったそうです。
【目には見えない心の理由を考える】
「この子は乱暴だ」「困ったことばかりする」と決めつけていた。
まぁちゃんとの出会いから「なぜ高いところから物を投げるのだろう?」と
“目には見えない心の理由を考える”ことで、子どもの世界を少しずつ感じ取っていくことができるようになっていきました。
子どもは、何らかの心が動いて(動機)行為になります。
自分の思いをことばで言えない子どもたちの行為をことばとしてとらえ
「本当は〇〇したかったんだね」と、ことばにすることで、
「自分の気持ちを分かってもらえてうれしい」という喜びの表情を子どもは見せてくれます。
保育者もまた、子どもと心のやり取りができる喜びが膨らんでいくのです。
和子先生の子どもから学んだ体験に、
「あーそんなふうに喜びあふれる保育がしたい!」と心が熱くなりました。
続く…